私が介護に興味を持ち始めたのは中学生の時です。今は亡き祖母の話をしたいと思います。
当時、一緒に同居していた祖母は少しずつ物忘れが増え、毎日のように行っていた畑に行かなくなり家に引きこもるようになりました。
時より人が変わったように「財布が無い!」盗まれた、お前が盗んだんか!」と突如、怒鳴り家族を疑う事もありました。そして、病院を受診しアルツハイマー型認知症の診断を受けます。
両親は共働きであり在宅介護が困難だった為、介護認定の申請を行い要介護1と認定されました。それに伴いデイサービスを利用する事になりました。
デイサービスを利用する当日の祖母はいつもよりお洒落な服を身にまとい、笑顔で行っていました。家に居る時の祖母は、認知症の症状により感情の起伏が激しく、家族も認知症と理解していてもどう接して良いか分からず何度も衝突を繰り返していました。
そんな祖母を笑顔にするデイサービスとはどんな所だろうと思い、「介護」に興味を持ち介護についてもっと知りたい、学びたいと思い介護福祉士の資格を受ける事が出来る高校に進学し介護福祉士を志しました。
また、私は幼少期の頃に地域の方々と関わる事も多く、地域で行われていた御高齢の方が多く参加するパターゴルフにも参加し交流を深めていました。
御高齢の方と関わる事が好きで、人の役に立ちたいとも思っており高齢化が進んでいる日本で少しでも社会貢献したいと思った事も介護福祉士を志したきっかけの一つです。
私自身、話すことや意見を伝える事が苦手です。利用者様の中にも麻痺や言語障害があり言葉をスムーズに話せない方や「忙しそう」「怖い」「迷惑かな」等と思われ職員に声が掛けられず、トイレを我慢してしまう方や心の中には考えている事や思いを伝える事が出来ず、悩まれたり、不安になってしまう方が見受けられます。
そういった利用者様に気付く事で少しでも不安要素を取り除き、過ごしやすい日々を送れるように支援していきたいと思います。また、気付きには日常の様々な場面で必要となります。
日々、利用者様に接している中で利用者様からの些細な言葉や表情等を常日頃から観察している中で「いつもと違う」といった小さな変化に気付く事で体調の変化や気持ちにも気付く事が出来ます。
気付きには利用者様の変化だけでなく、事故防止にも繋がります。人それぞれの価値観や観察力により気付く所は違います。その気付きを職員で共有し、利用者様により良い日常を諧朋苑にてお過ごして頂ければ幸いです。